AGAは男性に起こる脱毛症で遺伝性を含めると、80%を占めている男性型脱毛症の総称として呼ばれています。多くの人が治療を経験していたり諦めていたりする脱毛症でもあります。

AGAの原因を説明する上で「悪玉?DHT」が原因だとする説明が多くあるのは、専門医が出版している薄毛対策の本やサイトに書かれている影響が大きいのかもしれません。
薄毛やAGAの情報サイト・動画サイトの説明を見ていても、なぜかAGAの原因がDHTといったり還元酵素だといったり曖昧な説明に変わっていることもあります。

今回、改めて正確なAGAの原因を構造や段階を含めてDHTについてもお伝えしたいと思います。

◇DHTを誤った解釈になった理由|2通りの推察ができる
冒頭でお伝えしたように、専門医が出版している本の中にも「悪玉の根拠はDHT」と書かれてあったりします。

誤った可能性がある内容をだしてみると、下記2つの可能性があるのです。

1.「DHTが脱毛因子の産生を促す?」という言葉からDHTが悪玉だと解釈した点
2.「前立腺」で結合するDHTは「がん」の元になり悪玉と呼ぶからAGAも同じく呼んだ

結合後の解釈を同じ表現で説明したのではないか?又は、結合と産生の意味を取り違えて説明したと考えられるのです。

1.産生と結合する解釈を間違えた

DHTは脱毛因子の産生を促すのではなく、レセプターでもある受容体と結合して脱毛因子へと変化したものだと解釈していないため、悪玉DHTになった可能性があります。
AGAを研究する研究者がだした結果を見ると、テストステロンと還元酵素が結合し変化した「DHTはさらに次のレセプター(受容体)と結合して脱毛因子へ変化したあと、伝達物質へ脱毛命令を出し続ける結果、AGAを起こしている」と最後まで結合システムを解明している点です。

2.前立腺で起こるDHTの悪影響をAGAでも悪玉とよんだ

前立腺とAGAで起こるDHTの結合は同じですが、影響力が全く違います。

  • 前立腺で起こるDHT
    前立腺肥大症から前立腺がんを作る元となって悪影響をだすため「悪玉DHT」と呼ばれ、AGA治療薬でもあるフィナステリド・デュタステリドを服用して抑制していたものです。
  • AGAで起こるDHT
    AGAになるまでに2回の結合を繰り返した後に脱毛因子へ変化しますから、DHTが原因にはならないのです。
    つまり、前立腺で悪影響を及ぼしているDHTをAGAでも同じく悪玉DHTとして説明している可能性もあるのです。

結果、専門医の本や情報サイトからAGAの原因で掲載したことによりDHTだけが悪玉として1人歩きしてしまい、みなさんが見るサイトで「AGAは悪玉DHTが原因だ」と変化した説明になっていったと考えられるのです。

◇AGAは「毛髪の生成や成長を妨げる元」でもある還元酵素が原因!
数多くあるAGA情報サイトの中には「AGAの原因はDHT(ジヒドロテストステロン)」だとか説明しているようですが、正確な原因を伝えているサイトよりも曖昧な情報を伝えているサイトが多くとても残念に思っています。

これから説明する内容は、研究結果にある正しいAGAの原因物質の説明になります。

下記の表は、AGAになるまでの構造や結合段階と原因物質になります。

*頭頂部や前頭部と前立腺には必要がないDHTですが、体には絶対に必要なDHTです。

上記の結合段階をへて最終的に伝達物質に伝えられた結果、AGAは進行していきます。
どうでしょうか?DHTが単体では関わっていないことがわかりますよね。

AGAの遺伝性がある場合
DHTと結合するレセプター(受容体)に受け継がれていることも研究結果より解明されています。遺伝性の検査を受けたときに遺伝物質が多くあるときは、受け継がれたレセプターに含まれていたことになります。
ただし、遺伝物質が多く含まれるからいっても、AGAが起こらない人もいますから数の問題ではないことも判明しています。

つまり、AGAが起きてしまうのは各段階で結合する物質の「感受性が高いか低いかの差」で起こるという結果も出ているのです。AGA治療がうまくいかない人は感受性が高いまま低くなりにくいからともいえるのです。

曖昧なサイトの情報で信用しないためにも、どの物質が悪影響を及ぼすのか、今回しっかり覚えておくと良いでしょう。

まとめ

AGAの原因やDHTについて説明してきましたが、みなさんは理解できましたでしょうか?

正確な情報を発信しているサイトが少ない背景には、医師の出版本の内容に影響されている中に「肝心なところの解釈が違う言葉で説明した点」から誤った情報として派生し、サイトで人気となったキーワードの存在を作ってしまったからでしょう。

いまだに信じている人もいる|質の良い睡眠にも間違いが!
また、「質がよい睡眠と成長ホルモンを多く分泌する」時間帯は夜10時から深夜2時までのゴールデンタイムにとれるなど、いまだに質のよい睡眠やホルモンについても誤って説明している医師やサイトは多くあります。
質の良い睡眠も成長ホルモンの分泌も「ゴールデンタイムはない」と、すでに研究結果から解明されています。
ちなみに、質の良い成長ホルモンは入眠してから30分後深い睡眠に入ったときに分泌されていますから、質の良い睡眠もどれだけ深い睡眠に入れるかと同じことが言えます。
結果、睡眠をとる時間帯でとれるわけではないのです。

上記にある表を見た通りに結合段階を知ると、AGAの原因となっているものは還元酵素の結合から始まっていますよね。結合過程で変化した単体のDHTは悪玉でもなく直接的な抜け毛の原因を作るわけでもないことは、少なくともわかっていただけたかと思います。